脳が麻痺する質問

具体的な質問文の話ではない。人は、一度に沢山の質問文を投げられると思考が停止するという話。

仕事で上司にしかられたとき、「なんで○○しないの?○○とは考えなかったの?これを見たとき君は何を考えていたの?普通○○って思わない?」などと、いくつもの質問(の形をとった非難)を投げかけられ、何も答えられずに沈黙してしまう、という経験が、僕はよくある。

質問分一つ一つが発せられる度にその質問に答えようと脳が反射的に考えはじめるけれど、すぐに次の質問がやってきて思考は中断される。これを繰り返すうちにそれまでの会話のコンテキストすら頭の中から薄れて行き、頭がぼーっとしてくる。

この現象は、

  • 質問文は短期記憶に収められる
  • 短期記憶は平均7つ程度の事柄しか同時に記憶できない

という二つの事実から導かれるものらしい。(本で読んだ知識と自分の実体験からの推測なので、間違っているかもしれない。)

質問文が投げかけられると、脳は反射的に答えようとする。答えるためには質問文を短期記憶に保存しておかなければいけない。しかし、同時にいくつもの質問文が投げかけられた場合、全ての質問を短期記憶に保存しようとし、すぐに短期記憶が溢れてしまう。人が何かを考えるときにも短期記憶はワーキングメモリとして必要(だと思う)なため、結果として何も考えられなくなる。そもそもの会話のコンテキストも短期記憶から失われ、すぐには思い出しづらくなる。というカラクリのようだ。